乳歯の再生医療への応用 [時事ネタ]
こんばんは、宇佐矯正歯科クリニックの松成です。気になるニュースがありました(以下そのまま引用)。
乳歯を再生医療に活用、名大が「研究バンク」設立
2007年12月6日(木)21:09
名古屋大は6日、乳歯から骨や神経など様々な細胞に分化する能力を持つ「幹細胞」を取り出し、再生医療に役立てる研究をするため、学内に「乳歯幹細胞研究バンク」を設立したと発表した。
乳歯は同大付属病院など6病院から提供を受け、数年で1万個程度の幹細胞を収集、研究データを集めて臨床応用を目指す。同大によると、大学などの公的機関に乳歯の幹細胞バンクを設置するのは世界初。
バンクを設立したのは、医学系研究科の上田実教授らのグループ。提供された乳歯や親知らずから、幹細胞を採取して培養。超低温で保存して研究する。
幹細胞を使った再生医療では、骨髄や臍帯血(さいたいけつ)があるが、乳歯の幹細胞はこれらに比べて、細胞の増殖能力が高く、採取が簡単なことから、実用化に期待が集まりそうだ。
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上田実教授といえば再生医療の第一人者であります。以前私の母校にも講演へいらっしゃいましたが、その時の公演内容も非常にセンセーショナルでした。
日常の臨床で、私自身も乳歯や永久歯を抜歯する機会はありますが、殆んどの場合患者さんに抜去した歯はお返ししています。今回のニュースをテレビでも見たのですが、抜去した歯の歯髄(歯科医院で一般に「歯の神経」と言われるものです)の幹細胞を再生に応用しているようです。近い将来再生技術が確立すれば、治療で歯を抜去した時には、歯髄を医院で採取させていただいて歯だけをお返しするような時代が来るのかもしれませんね。
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